テコでもな話
指の先端の皮が急にべりべりとめくれて、怖い思いをしている。
事実終わっていないものを、ハッピーエンドにされることに、笑って済まされることに気分が悪く、傾いて歩いていた。
甘ったれていると言われようと、思った通りに動いてやらねえぞ、という強い気持ちを持って。
刺してきたら、誠意を持って刺し返すのがブシドーだよね。
小道に入るところで、妙齢の女性が前にいるのに気づく。
私の0.3倍速くらいのスピードで、だけど私と同じくらい傾いて歩いていた。
彼女と同じ小道に入るところで、回り道をして帰ろうと思い立つ。
細くて暗い道を歩くとき、自分の前に人がいると落ち着かない。前にいる人が落ち着かないことが、落ち着かない。
結局新しい道は最後には行き止まりで、ふざけんなよと思いながらいつもと同じ道を歩いて帰る。
次の角で曲がっても家に帰れないことだけがわかった。
ダメなことがわかるというのは、非常に重要なことなので、良し。
もう解散!
ビビッとくる話
突如思い立ち、普段しまっているオイルクレンジングを探す。緊急時を除けばもう4年くらい使ってない。
いつもは乾燥がすごくて、夏以外は肌がペリペリになるからSUQQUのリセットクレンジングエマルジョンを使ってたけど、どういうわけか啓示を受けたのである。
何かデカい不調があったわけではない。もうこうなったら現状維持しかできないから、不調がなくても常にシビアな状態なわけで、日々全身を警備することになる。
そんなだから、不調があっても何が原因か分からなくなること、めっちゃある。あるよね?
何をやってもダメなときはダメだし、何もしていなくても最高なときはある。えっ、意味あんのかこれ。
とにかく、オイルクレンジングを辞めていたんですよ。
それをね、風呂を上がった瞬間「今だ!」みたいな気になり、すごいスピードで使う。
そしたら案の定求めていた洗い上がりで、めちゃくちゃ元気になった。
神じゃなくて何らかの組織の電波かもしれない。無事受信したよ。ありがとな。
起きたら突然海に行きたいとか、チベット料理食べたいとか、こいつに会いたいと思い出したとき、そういうことに従っておく。吸収率が半端じゃないから。
0時過ぎていても、カレーが食べたかったらスパイシーカツカレーを頼む。糖質は脳がぶっ倒すはずだ。
幸せになる手段は多い方がいい。
おわり
地獄の罰の話
こどもの頃読んだ絵本に書いてある地獄の罰には針の山とか大釜茹でとかあって、大体が血だらけになってる中、擽りの刑があったはずなんだけど
「えっ この中じゃ擽りが一番ライトじゃん」って思ってたけど、そうではないかもしれないと気づく。
紙パンツ1枚でベッドに寝転がったら、吸盤みたいな機械をぺたぺた全身に押し当てていく。
個人的にはダントツで首、それから脇腹と尻周りがヤバい。
動いちゃいけないし、笑っちゃいけないから、歯を食いしばり簡易ベッドの端を握りしめ、じっと耐える。
今日の担当のお姉さんは
「試練ですね、あと少しです!耐えてください!あと1ライン!」
「あっ もう1ラインです!!!!」と笑っていたけど、こっちはマジである。
全身が硬直して、手汗が出てくる。
骨が飛び出している部分は難しいのかきちんと当たらないから、お姉さんが全身全霊の力を込めて押し付ける。
足が震えだすくらい痛い。手汗がすごい。
あとは、シンプルにレーザーが痛くて、熱々の鉄板をビシッと当てられる感覚。痛みで毛穴が死んでいることだけを糧に歯をくいしばる。
さらに、手汗がすごい。
遅まきながら、擽りの刑は有効だということを確信する。
帰りに
「機械が変わったので照射時間が1時間に短縮でき、予約が取りやすくなりました!」
と言われてワクワクでweb予約を確認したら、次は1月末しか空いてなくて笑っちゃった。
嘘は良くないぞ
おわり
夏の風物詩の話
美味しい美味しいもちもちの水餃子を真剣に食べていたら
「8月が終わっちゃうよ!ヤバい!」と隣の人が叫ぶ。
それ3人くらいから聞いたな。イカれた暑さと、引くほど降る雨ですっかり忘れていたけど、焦るよね、わかる。鈴虫鳴き出してるしね。
今年はバーベキューと花火ができなかった、夏未達成だ。海も行ってない。あんず飴も食べ損なった。
夏のことは夏にしといた方が100パー楽しいのだ。
冬でもいいじゃん!っていうそこのお前、物事には理由があるんだから、カルチャーを重んじろ。
花火の起源って、川で慰霊のためにやってたのを川で涼むのと丁度いいからってマージしたんだっけ。
とりあえず、来年の長岡花火大会を目標にする。
これは達成されないかもしれない。
それから駆け込みビアガーデンか、バーベキューを催すか否かで揉めている。
どっちもやりたい!というレスは無視されている。
そういえば、この夏の終わりにね、久しぶりに感動したことがあったから書いておく。
みんなそこそこに食べ終わって「お腹いっぱいだねえ」と終わりの雰囲気を醸し出したら、1人がちょっとずつ残っていた料理を最後にササッと食べてお皿を綺麗にしていた。
ちゃんと見てたよ。こういう人が選ばれるべきなのだ。どうか どうか幸せになってね。
その人からゲームオブスローンズを猛烈に薦められたので、見てやろうかなと思う。
おわり
朝顔のプランターの話
先日通勤中に見かけた朝顔が、1つ咲いていた。
たくさんの蕾があったから、きっとこれから咲くんだろう。
ここは陽当たりがあまりよくないから、気温は丁度いいかもしれない。
好きなタイプの青色だったので(C60 M55 Y10くらい)思わず写真を撮った。撮ってから、鉢植えに持ち主の名前がないか焦って確認した。
遥か昔、塾でバイトしていた頃にあったルール、今ではもっと厳しくなってるんだろうか。
生徒の名前は呼び捨てにしない、個人的に連絡先を交換しない、髪や体に触らない、素性をやたら詳しく教えない とか、とか とか
まあ当たり前のルールなんだけど、生徒は無邪気なもので不可抗力なんかに気をつけないといけない。鳩尾辺りに突っ込んでくるし、先生の人生の進捗にも敏感だ。
クソ大学生に責任は取れない。取る力もないし。
ところで、植木鉢に名前はなかった。
今のこどもは持ち物に迂闊にフルネームを書かないのかもしれない。
名札という制度、廃止したの?世に何を示してんだか分からないし、あってもなくてもいいもんな。
地元でよく見かけた、名札を安ピンで鞄に付けてる学生とか絶滅したのかな。カントリーサイドのカルチャーでしょうか。
植木鉢の青色以外、全部全部、ぜーんぶ変わってしまったみたいです。
おわり
食玩の話
もう十分今日を起ききった、のに目がギランとしていて眠れない。ことは、ごくたまにある。
そのテンションのまま、初めてメルカリで物を買った。宇宙アイドル マオちゃんのフィギュア。
全5種類のラムネ付きフィギュアは本来はコンビニでゲットできるはずなのに、マジのガチでどこにも売っていなかった。
マオちゃんは生産数少ないのでは?とネットで見かけたけど。
都会のコンビニはマーケティングがシビアで、余計なものを置かない。つまりプリキュアの食玩は置いてない。そうですか。君たちの態度はよくわかりました。
夜中に何かを引きずり回す下の階の住人が引っ越してから4ヶ月ほど、今度は隣の部屋の女がサウンドディレクションを始めた。
夜更けに引き戸を何度も、何度も、何度も開け閉めしている。WANIMAでも聴いて盛り上がってんのか?
この賃貸物件には、ドアは3つしか無いはずで、連続してガラガラとなるわけがないのだ。
こういうやつらに、戦わずして勝ちたい。
コツがあれば教えてください。
おわり